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船橋整骨院BLOG
- 手首のTFCC損傷(三角線維軟骨複合体)についての補足
- 2025/04/07
前回は手首の痛みについて痛みの場所から想定できる傷病を何点かお伝えしましたが、その中でもTFCCと呼ばれる三角線維軟骨複合体損傷についてもう少し深くお伝えしたいと思います。
【解剖】三角線維軟骨複合体は手首の小指側の足のくるぶしのように出っ張っている内側に位置しております。軟骨にも種類があるのですが、素材的には良く知られている膝の軟骨である半月板と同じ種類になります。
特徴としては、膠原繊維(※イメージ→鉄筋コンクリートの鉄筋)と呼ばれるものを多く含み簡単にもうしますと、衝撃に強い軟骨になります。
関節面の骨に直接へばりついているように存在している軟骨は、硝子軟骨と呼ばれ表面がツルツルして摩擦に適している軟骨です。
三角線維軟骨複合体の役割は、表現が難しいのですが、前腕は2本の骨(橈骨・尺骨)からなり手首のところで2本の骨を結んでいる靱帯と軟骨、腱の複合体を三角線維軟骨複合体と呼びます。その三角線維軟骨複合体の事をちょっと長いのでTFCC(Triangular FibroCartilage Complex)と呼んでおります。
TFCCの役割は、手首の安定性と支持性の役割と手のひらを上にしたり下にしたりする時に関与しております。
TFCC損傷は使い過ぎで起こる場合と交通事故等の転倒で手を付いたりした時にも起こります。転倒した時は大丈夫でも軽い受傷があった場合、そこを使い続けることにより炎症がひどくなり痛みになられる方もおられるので、痛みがなくても受傷場所を使い過ぎるのは痛みの原因になってしまいます。
TFCC損傷の痛みの出方は、手を付いて立ち上がろうとした時やタオルなどを絞る動作で痛むことが多いです。また、炎症が強い場合は症状も強く出ることもあり、何もしていなくても痛むと訴える方もいらっしゃいます。「折れてます?」と質問されることもよくあります。
ひどく損傷している場合は、一般的に3~4週間固定をすることもあります。あまり多くないようですが関節鏡を使った手術もあるようです。
TFCC損傷や尺骨突き上げ症候群などは損傷していても痛くないという文献もございます。
実際、手首の軟骨の損傷と診断されている方が、前腕部分の筋緊張をほぐすことにより痛みが軽減している患者様も多くいらっしゃいます。
皮膚の傷が2~3日で治らないように、軟骨も2~3日では治りません。
TFCCの痛みは損傷だけではなく、手首を動かす周りの環境により痛みが出てしまう方が多いです。
無理に使い続けると上記したように強い痛みになる場合も多いので、そうなる前の受診をお願い致します。
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